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ロビンさん/アメリカ合衆国出身・杏林大学外国語学部長 教授

三鷹市に2つのキャンパスを持つ杏林大学で、国際コミュニケーション論、英米文化論などを教える坂本ロビン先生にインタビューをさせて頂きました。
ロビン先生は教員としてのお仕事に加え、外国語学部の学部長も務められています。

今では学部長という立派な役職に就かれていらっしゃいますが、もともと日本で働こうと思ったきっかけや、日本での生活で悩んだことはなかったのでしょうか?
インタビューでは、ロビン先生が初めて日本で働き始めた頃のことから、お話を伺いました。

ロビンさん/アメリカ合衆国出身・杏林大学外国語学部長 教授


【プロフィール】
お名前:坂本ロビンさん
出身地:アメリカ合衆国・ミシガン州
現住所:東京都府中市
勤務先:杏林大学外国語学部(学部長・教授)
※2017年8月現在
─現在のお仕事について教えて下さい
杏林大学の外国語学部で学部長を務めながら、教授として異文化コミュニケーション論などを学生たちに教えています。
この学校では8年目ですが、1985年に岩手県紫波町の中学校で英語の先生として働いたのが、日本での初めての仕事でした。
その後も、盛岡市の高校、岩手大学などで英語の教員を務めて、2003年から1年だけ帰国して、ミネソタ大学でも働いたんですけど、やっぱり日本が好きで戻って来ました。
再来日した後は、慶応大学・立教大学・東京大学・東京外国語大学で講師をさせてもらい、2010年から杏林大学の教授をしています。


─このお仕事を選んだ理由は?
大学3年生のときにドイツ留学をして、海外に行く楽しみを知り、異文化コミュニケーションにハマっていたので、日本にも行ってみたい!と思って、岩手県の中学校で働き始めたのがきっかけです。
アメリカの大学で教員免許をとるために勉強していた当時、レーガン大統領と中曽根首相の交流が盛んだったこともあって、アメリカでは日本という国のことがすごく注目されていたときだったんですよね。

30年以上も教員の仕事をしていますが、毎日、学生から学ぶことが多くて、とっても楽しいです。
私は異文化コミュニケーションを教える側の立場ですが、学生たちと交流していると、自分が知らないことをたくさん学べて、本当に刺激的ですね!
例えば、昔はパソコンもスマートフォンもなかったのに、今の学生たちはスマホでLINEやSNSを使ってコミュニケーションをとるのが当たり前。
時代によって変化する学生たちと交流できる仕事は、楽しいですよー!


─日本で働く上で困ったことはありませんでしたか?
最初はすごく困った・・・日本語が全くわからない状態で岩手県に来たから。
今は、英語を話せる人も増えてきたけど、私が働き始めた1985年当時は、英語がわかる人は全然いなかった。。。
でも、ジェスチャーを交えて話をするうちに少しずつコミュニケーションができるようになって、周りの人たちにたくさん助けてもらいました。
寒い冬の時期にストーブが動かなくなってしまって、近くのタクシーの営業所に駆け込んだときも、言葉はわからないのに、わざわざタクシー会社の人が自宅まで来てくれて、使えるようにしてもらいました。

日本の人は優しいから、日本のことが大好き!

ただ、働き方や時間の使い方は変えた方がいいんじゃないの?と思うこともあります。
アメリカだと、ランチやコーヒーブレイクは、職場から外に出て気分もリフレッシュするけど、日本の人たちは自分の席でお弁当を食べたり、コーヒーを飲んだり、昼寝する人もいる(笑)
休憩するときは場所を変えてリフレッシュして、働くときは席で仕事に集中するというように、切り替えをしっかりした方がいいんじゃないかな?と思います。

あとは、会議ね。
会議室に大勢が集まって、長い時間座って話を聞くのが日本の会議のやり方だけど、最初は理解できなかった。
目的を決めて、議論し合ったり決めなければならないことを決めるのが会議だと思っていたから。

日本の職場の会議は皆が発言するのではなくて、一部の人の話を聞くスタイルが多いです。
でも、何年か働くうちに、日本流の会議の良さもわかって来ました。
日本の会議は、参加する人たちの合意を作り出すために重要な時間なんですね。


─日本で働いていて良かったと思うことはありますか?
職場の人たちと仲良くなれることですね!
アメリカでは、仕事が終わったら職場の人と一緒に行動することなんて滅多にないけど、日本では仕事が終わった後も、職場の仲間同士で食事やお酒を飲みに行ったりする機会があります。
最初は、日本語が苦手だから参加していなかったんですけど、一度参加してみたら、楽しくて楽しくて。
日本の人たちは、会議のときはあまり発言しないように見えるけど、「飲み会」の場では本音で喋ってくれる(笑)ので、そういう時間が楽しいです!


─母国の人たち向けに日本・多摩地域の魅力を伝えるとしたら?
私は府中が大好きです!
多摩川沿いを走ったり自転車に乗ったり、こんなに素晴らしい町はありませんよ!

ロビンさん/アメリカ合衆国出身・杏林大学外国語学部長 教授


─母国・故郷の魅力を日本の皆さんに紹介して下さい
ミシガン州は、五大湖のうちの4つの湖に囲まれた地域で、どこに住んでも湖にすぐに出られるのが魅力です。
湖に面した場所には、灯台もたくさんあって旅行者にも人気ですよ。

でも、灯台の光は灯台のすぐ下にいては見えませんよね。
離れて湖の上から見て、はじめてきれいに見えます。

日本にも「灯台もと暗し」ということわざがありますが、英語では"The lighthouse does not shine on its base."と言います。
この言葉の意味と同じで、ミシガンから一歩外へ出てみて、はじめて自分の町の良さがわかります。
私は、日本に来てみて、ミシガンの良さと、日本の良さの両方がわかるようになりました。


─最後に、今後の夢を聞かせて下さい
日本に合ったワーク・ライフ・バランスを実現させたいですね。
女性の活躍とワーク・ライフ・バランスを一緒に語られることが多いですけど、私は女性が活躍するだけではなくて、男性の働き方を変えて、家族みんなで幸せな時間を過ごせる国にしないといけないと思っています。
子育てに集中したいときには男性も女性も働く時間を短くする、たくさん仕事をしたいときには仕事に専念できるようにするなど、ライフステージに合わせた働き方、過ごし方ができる国になって欲しいです。

大学の教授として、日本をもっと良い国にするための若者を育てていきたいと思います。


ありがとうございました。
ロビン先生のこれからのご活躍と、杏林大学の学生さんたちのご活躍をお祈りしています!



→ロビン先生が働く杏林大学さんのホームページはこちら



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